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発音の規則 |
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ロシア語は、英語にあるような綴りと発音の乖離はなく、基本的に文字をそのままローマ字読みしてOKです。特に固有名詞とかをカタカナにする場合は、原則として「そのままローマ字読み」でカタカナ化します。しかし、実際の会話や歌での発音は、そのままローマ字読みではなく、ある程度音変化します。音変化は基本的に規則的で、アクセントの位置さえ知っていればそれらしい発音は綴りからすぐに分かります。 |
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発音の規則
基本的な発音の規則としては、次のようなものがあります。これらを覚えれば、たいていのロシア語の単語は発音できます。 ・アクセントのある音は、強く、やや長めに発音する。 ・アクセントのない「О」(オ)は「ア」と発音する。 ・「Ё」(ヨ)には常にアクセントがある。 ・Я(ヤ)、И(イ)、Ю(ユ)、Е(イェ)、Ё(ヨ)の前の子音はヤ行の音になる。 ・「Ь」(軟音記号)の前の子音もヤ行になる。 ・単語末及び無声子音の前の濁音の子音は無声化する。 ・В(v)を除く濁音の子音の前の無声子音は有声化する。 ・「Ъ」(硬音記号)は子音と母音を分離する。 また、微妙に特殊な発音として、次のものを挙げました。細かいとこまで覚えなくても、「こういうのがある」ということを知っておくと良いと思います。 ・子音が組み合わさった際の発音 ・「г」(g)と「ч」(ch)の特殊な発音 ・子音が連続した場合の発音されない子音 ・「イ」と発音する「А」(ア)、「Я」(ヤ) ・「Е」(イェ)の発音について ・リエゾンについて 以上を知っていれば、日本人にとってはかなり自然なロシア語の発音ができると思います。 なお、もうちょっと細かいこととして、以下のことも載せます。 ・「Ж」(zh)、「З」(z)、「Х」(kh)の発音 ・元々軟音の子音、軟音化しない子音 ・「Ш」(sh)と「СЬ」(s')、「Ж」(zh)と「ЗЬ」(z')の発音の違い ・「Ч」(ch)と「ТЬ」(t')の発音の違い 余力があったらこれらを意識しておくのも良いでしょう。 この他にも細かい規則はいろいろありますが、とりあえず歌とかではあまり関係なさそうなので、以上のことについて以下に詳しく説明します。 |
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基本的な規則
・アクセントのある音は、強く、やや長めに発音する。 |
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……歌の中では、これらの特徴はあまり目立ちません。ただ、歌以外の場面では重要です。また、このページでは、ロシア語をカタカナ表記する場合、長音で表してある部分は原則としてアクセントのある音を示します。但し、ロシア語においては「強く発音する」ということがアクセントとして重要であって、「長く発音する」は、強く発音した結果としてそう聴こえるだけなので、その点は注意しましょう。また、カタカナ表記の事情で、「ий」(iy)とか「ый」(yy)とかいった綴りはアクセントがなくても(というか普通は来ないが)「イー」とか「ウィー」とかいった長音で表します。一つの単語の中に長音が複数ある場合は、「ий」(iy)とか「ый」(yy)とかじゃないものがアクセントだと思ってください。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 Татушки (tatushki) : タトゥーシュキ Иван (Ivan) : イヴァーン (イワン・シャポヴァロフ他) ума (uma) : ウマー (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) клоуны (klouny) : クローウヌィ(「Clowns」のロシア語版タイトル) красный (krasnyy) : クラースヌィー (「赤い」) |
・アクセントのない「О」は「ア」と発音する。 |
ごく一部の外来語系の単語を除き、アクセントのない「О」(オ)は「ア」と発音します。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 сошла (soshla) : サシュラー (「ヤ・サシュラー・ス・ウマー」より) золотые (zolotyye) : ザラトィーイェ (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) робот (robot) : ローバト (「ローバト」より) аэродрома (aerodroma) : アエラドローマ (「ナス・ニェ・ダゴーニャット」より) |
・「Ё」(ヨ)には常にアクセントがある。 |
例外的に主アクセントではなく副アクセントが来たり、日本人名を表記したりする時にアクセントないのに使ったりしますが、いずれにせよ発音は「ヨ」です。但し、Ёの上の点々は省略され、Е(イェ)と同じ形になることが多いです(Е(イェ)はアクセントがある場合もない場合もあります)。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 ёлка / елка (yolka) : ヨールカ (「クリスマスツリー」) |
・Я(ヤ)、И(イ)、Ю(ユ)、Е(イェ)、Ё(ヨ)の前の子音はヤ行の音になる。 |
「ヤ(Я)、イ(И)、ユ(Ю)、イェ(Е)、ヨ(Ё)」の五つの文字は、「軟母音」と呼ばれていますが、要するる日本語で言うところの拗音(ヤ行の音)です。「И」(イ)が軟母音に含まれる(つまりヤ行のイである)ということに注意しましょう。「軟母音」がついた子音は、日本語で言うところの拗音化みたいな現象を起こし、ヤ行の音になります(これを「軟音化」と言います)。例えば「ТЯ」(T+ヤ)は「チャ」に、「ТИ」(T+イ)は「チ」に、といった具合です。このページでは、軟音化した子音はアポストロフィー( ' )を付けて表しています。例えば「тя」(チャ)は「t'a」、「ти」(チ)は「t'i」といった感じです。また、「И」(イ)については、「Т」(T)、「Д」(D)、「С」(S)、「З」(Z)の後につく時以外は特に軟母音であるということは意識しなくても良いです。なお、「ти」「ди」「си」「зи」はそれぞれ「チ」「ジ」「シ」「ジ」になります。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 Юля (Yul'a) : ユーリャ Лена (L'ena) : リェーナ догонят (dogon'at) : ダゴーニャト (「ナス・ニェ・ダゴーニャット」より) упадёт / упадет (upad'ot) : ウパジョート (「ナス・ニェ・ダゴーニャット」より) хотела (khot'ela) : ハチェーラ (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) синие (s'in'iye) : シーニイェ (「Clowns」のロシア語版より) яркий (yark'iy) : ヤールキー (「明るい」) |
・「Ь」(軟音記号)の前の子音もヤ行になる。 |
「Ь」(軟音記号)も前の子音を軟音化(ヤ行の音化)します。これがついた子音は、子音単独でヤ行の音っぽく発音されます。具体的には、「イ」の音が入っているっぽく聴こえます(しかし、あくまで子音で、母音は入っていません)。「Ь」の後ろに母音(必ず軟母音になる)が付いた場合、「Ь」の前の軟音化された子音と「Ь」後ろの母音とは、別々に発音されます。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 только (tol'ko) : トーリカ (「ナス・ニェ・ダゴーニャット」より) забыть (zabyt') : ザブィーチ (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) движенья (dv'izh'en'ya) : ドヴィジェーニヤ (「Simple Moves」より) день (d'en') : ジェーニ (「Я твой враг」より) |
・単語末及び無声子音の前の濁音の子音は無声化する。 |
ここで言う「濁音の子音」とは、 「б」(b)、「в」(v)、「г」(g)、「д」(d)、「ж」(zh)、「з」(z) つまり日本語で言うところの濁音です。「無声子音」とは 「п」(p)、「с」(s)、「т」(t)、「ф」(f)、「х」(kh)、「ц」(ts)、「ч」(ch)、「ш」(sh)、「щ」(sh'sh') のことです。日本語と英語がある程度分かっている人なら、覚えなくても発音を見ればどれが濁音でどれが無声子音かは分かるでしょう。濁音の子音は、単語の終わりや無声子音の前に来ると無声化するのですが、濁音の子音はそれぞれ 「б」(b)→「п」(p) 「в」(v)→「ф」(f) 「г」(g)→「к」(k) 「д」(d)→「т」(t) 「ж」(sh)→「ш」(sh) 「з」(z)→「с」(s) のように無声化します。日本語や英語にはこのような規則は一応ありませんが、これも、英語がある程度分かっていれば、いちいち覚えなくても分かるでしょう。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 Шаповалов (Shapovalov) : シャパヴァーラフ (イワン・シャポヴァロフ) снег (sn'eg) : スニェーク (「ローバト」より) абсолютно (absol'utno) : アプサリュートナ (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) всё / все (vs'o) : フショー (「ナス・ニェ・ダゴーニャット」より) дождь (dozhd') : ドーシチ (「雨」) |
・В(v)を除く濁音の子音の前の無声子音は有声化する。 |
上の「無声化」の逆ですが、「В」(v)の前では無声子音の有声化が起こらない、ということに注意しましょう。 濁音の子音の前に来た無声子音は、 「п」(p)→「б」(b) 「ф」(f)→「в」(v) 「к」(k)→「г」(g) 「т」(t)→「д」(d) 「ш」(sh)→「ж」(sh) 「с」(s)→「з」(z) のように有声化します。無声化の時の逆なので、無声化が分かっていれば、これも分かります。なお、無声子音の「х」(kh)、「ц」(ts)、「ч」(ch)、「щ」(sh'sh')は濁音の子音の前でも有声化しませんが、これらの子音が実際に濁音の子音の前に来ることはまずないので、気にしなくても良いです。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 сделала (sd'elala) : ズジェーララ (「彼女はした」) твоём / твоем (tvoyom) : トヴァヨーム (「ローバト」より) |
・「Ъ」(硬音記号)は子音と母音を分離する。 |
「Ъ」(硬音記号)は子音と母音の間に入り、前にある子音と後ろにある子音を分離します。例えば日本語の「安易」(あんい)をローマ字表記する場合、「ani」とすると、「あに」になってしまうので、アポストロフィーを入れて「an'i」とすることがあります。「Ъ」(硬音記号)は、とりあえずはこのアポストロフィーみたいなものだと思ってもらって良いです。つまり、「АНИ」が「アニ」と発音されるのに対し、「АНЪИ」は「アンイ」と発音されます。実際のロシア語では、「Ъ」の後ろには常に軟母音(ヤ行の音)が来ます。このページのローマ字表記では、「Ъ」に相当する文字は表記していませんが、「Ъ」のある部分は「子音+ya, yi, yu, ye, yo」という表記にしています(こうなっている部分は、元のロシア語で必ず「Ъ」があります)。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 объяснение (obyasn'en'iye) : アブヤスニェーニイェ (「説明」。「アビャスニェーニイェ」にはならない) съесть (syest') : スイェースチ (「食べる」。「シェースチ」にはならない) |
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微妙に特殊な発音
・子音が組み合わさった際の発音 |
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子音が組み合わさった場合で注意する発音として、次のようなものがあります。 ・「тс」(ts)、「тьс」(t's)、「дс」(ds)等は、「ц」(ts)の発音になる。特に動詞の語尾で出てくる「-тся」や「-ться」は、やや詰まり気味に「ッツァ」と発音する。 ・「сч」(sch)は「щ」(sh'sh')の発音になる。 ・「дз」(dz)は日本語のザ行の子音に近い音になる。 ・「дж」(dzh)は日本語のジャ行の子音に近い音になる。 「сч」及び「-тся」「-ться」はよく出てくる綴りなので、この三つだけは覚えておきましょう。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 считается (sch'itayets'a) : シターイェッツァ : (「ヤー・トヴァヤー・ニェ・ピェールヴァヤ」より) статься (stat's'a) : スターッツァ (「なる」) детский (d'ets'iy) : ジェーツキー (「子供の」) |
・「г」(g)と「ч」(ch)の特殊な発音。 |
「г」(g)と「ч」(ch)については、以下のように発音される場合があります。 ・「г」(g) → 「в」(v)、「х」(kh) ・「ч」(ch) → 「ш」(sh)、「т」(t) 具体的にどのような場面でそのように発音されるかには、ある程度の規則のようなものがあります。実例の中で覚えていくのが良いでしょう。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 кого (kogo → kovo) : カヴォー (「誰を?」) мягкий (m'agk'iy → m'akhk'iy) : ミャーフキー (「やわらかい」) что (chto → shto) : シュトー (「Simple Moves」より) лучше (luchsh'e → lutsh'e) : ルートシェ (「ナス・ニェ・ダゴーニャット」より) |
・子音が連続した場合の発音されない子音 |
子音が連続している場合、そのうちの一つが発音されない場合があります。同じ連続でも、単語によって発音が違う場合もある(ある単語では一部発音されず、別の単語では全て発音される等)ので、「こういうのもある」といった程度に覚えておきましょう。 ・同じ子音が二つ続くと、うち一つが発音されない場合が稀にある。 ・子音が三つ以上続くと、うち一つが発音されない場合が比較的よくある。 具体的にどの単語でどの子音が発音されないかは、実例の中で覚えていくのが良いでしょう。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 русский (russk'iy → rusk'iy) : ルースキー (「ロシアの」) солнце (solnts'e → sonts'e) : ソーンツェ (「太陽」) здравствуйте (zdravstvuyt'e → zdrastvuyt'e) : ズドラーストヴィチェ (「こんにちは」) |
・「イ」と発音する「А」(ア)、「Я」(ヤ) |
アクセントのない「А」(ア)や「Я」(ヤ)は、稀に「イ」と発音される場合があります。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 полчаса (polchasa) : ポルチサー (「トリッツァチ・ミヌート」より。最初の「ポ」は副アクセント。) пяти (p'at'i) : ピチー (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) счастливо (schastl'ivo → sh'sh'asl'ivo) : シスリーヴァ (「幸せに」) |
・「Е」(イェ)の発音について |
「Е」(イェ)の発音は、以下に示すように、かなり微妙です。 ・アクセントのない「Е」(イェ)は「イ」と「イェ」の中間くらいの音になる。 ・「т」(t)、「д」(d)以外の子音の後では、「Е」(イェ)はしばしば「エ」っぽく聞こえる(しかし、あくまでも「Э」(エ)ではない)。 これらについては、自分の耳で判断するのが一番だと思います。 なお、外来語等で「e」(エ)の発音を表す場合は、語中では「Э」(エ)の代わりに「Е」の文字を使う傾向があります。この場合の「Е」の発音は「e」(エ)です。 (例) アクセントのある文字は下線で表しています。 не (n'e、アクセントなし) : ニ 〜 ニェ 〜 ネ (「not」) сердце (s'erdts'e → s'erts'e) : シェールツェ 〜 セールツェ (「ローバタ」より) перекрёстках / перекрестках (p'er'ekr'ostkakh) : ピリクリョーストカフ 〜 ピェリェクリョーストカフ 〜 ペレクリョーストカフ (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) |
・リエゾンについて |
英語等では二つの単語をくっつけて一つの単語のように続けて発音することがあります(これをリエゾンと言います)が、ロシア語でもそれはあります。特にロシア語では前置詞に「子音だけ」というのがあるので、そういうのではリエゾンは重要になります。前置詞と後ろの名詞がリエゾンした場合は、それらは一つの単語のように発音し、子音の有声音化・無声音化はそれらを一つの単語と見なした時のように起こります。 前置詞がらみ以外のリエゾンの場合、子音の有声音化は、それらの単語を一つの単語と見なした場合のように起こることもありますが、起こらないこともあります。人によって、あるいは同じ人でも場合によって違ったりしているようなので、「そういうことも起こりうる」といった程度に覚えておくのが良いでしょう。 なお、軟音化はリエゾンしても起こりません。間に「Ъ」(硬音記号)が入ってくると見なすのが良いかもしれません。 (例) アクセントのある文字は下線で表します。 с ума (s uma) : スマー (「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より) без них (b'ez n'ikh) : ビズニーフ нов он (nov on) : ノーフ オン 〜 ノーフォン 〜 ノーヴォン вот и (vot i) : ヴォット イ 〜 ヴォットィ (「ヴォッチ」にはならない) вот я (vot ya) : ヴォット ヤー 〜 ヴォットヤー (「ヴォッチャー」にはならない) |
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もうちょっと細かいこと
・「Ж」(zh)、「З」(z)、「Х」(kh)の発音 |
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「Ж」(zh)、「З」(z)、「Х」(kh)の発音は、カタカナではそれぞれジャ行、ザ行、ハ行の音で表されますが、文字の紹介のところでも書いたとおり、実際には日本語のジャ行、ザ行、ハ行の発音とはかなり違います。「Ж」(zh)、「З」(z)、「Х」(kh)の発音について、ここで改めて載せておきます。 ・「Ж」(zh)は、舌を口の中のどこにもつけずに、滑らかに「ジュ」と発音する音で、「Ш」(sh)の音がそのまま濁音になった音です。日本語話者にはかなり難しい音です。日本語のジャ行の音は、舌を上歯茎にくっつくて破裂するように発音する、シャ行の濁音というよりチャ行の濁音といった方がいいような感じの音です。ロシア語話者には、日本語のジャ行の音は「Ж」(zh)ではなくて「ДЖ」(dzh)(もしくは「ДЬ」(軟音のd'))のように聞こえるようです。いずれにせよ日本語のジャ行音には「Д」(d)の音が入っているようですが、ロシア語では入っていません。というわけで、「Ж」の聞いた感じは、日本語のジャ行の音とはかなり違うので、注意して聞いてみましょう。 ・「З」(z)も「Ж」(zh)と同様に、舌を口の中のどこにもつけずに、滑らかに「ズ」と発音する音で、「С」(s)の音がそのまま濁音になった音です。やはり日本語話者にはかなり難しいです。日本語のザ行の音は、舌を上歯茎にくっつくて破裂するように発音する、サ行の濁音というよりもツァ行の濁音といった方が近い感じの音で、ロシア語話者に聞かせるとやはり「ДЗ」(dz)のように「Д」(d)の音が入っているように聞こえるようです。というわけで、「З」の聞いた感じも、日本語のザ行の音とはかなり違うので、注意して聞いてみましょう。 ・「Х」(kh)は、kの口でhの発音をするような音で、喉の奥の方から「フ」と発音します。日本語のハ行の音と「Х」(kh)の音のうち、「ヒ」と「ХИ」(kh'i)は比較的似ていますが、特に「フ」の音と「ХУ」(khu)、「Х」(kh)の音とは、日本語では唇のあたりで発音するのに対し、ロシア語の「Х」は喉の奥の方と、位置的に全く違う場所で発音され、聞いた感じも相当に違うので、くれぐれも注意しましょう。 |
・元々軟音の子音、軟音化しない子音 |
子音の中は、後ろに軟母音(Я, И, Ю, Е, Ё)や軟音記号(Ь)が来た場合には、たいていは軟音化しますが、中には元々軟音の子音や軟音化しない子音もあります。 ・元々軟音の子音……「Ч」(ch)、「Щ」(sh'sh') ・軟音化しない子音……「Ж」(zh)、「Ц」(ts)、「Ш」(sh) これらの子音は、例えば後ろに「Ь」が来ても、発音に変化は起こりません。すなわち「Ч」と「ЧЬ」は全く同じ発音で、「Ш」と「ШЬ」も全く同じ発音です。また、軟音化しない子音の後ろに軟母音が来た場合は、後ろの軟母音は軟母音ではないと思って発音します。例えば「ШЕ」(sh'e)は「ШЭ」(she)のように、「ЖИ」(zh'i)は「ЖЫ」(zhy)のように発音します。 |
・「Ш」(sh)と「СЬ」(s')、「Ж」(zh)と「ЗЬ」(z')の発音の違い |
「Ш」(sh)と「СЯ(s'a)、СИ(s'i)、СЮ(s'u)、...」等の子音(これを「СЬ」(s')と書くことにします)は、日本語ではいずれもシャ行の音になりますが、ロシア語では両者は別の音です。 「Ш」(sh)は、日本語のシャ行の音に比べてかなり硬い感じで「シュ」と発音します。一方の「СЬ」は日本語のシャ行の音よりもやや軟らかい感じで「シ」と発音します。なお、日本語のシャ行の音は、どちらかというと「СЬ」の音に近いようです。 「Ж」(zh)と「ЗЬ」(z')は、「Ш」(sh)と「СЬ」(s')がそれぞれそのまま濁音化したものです。 |
・「Ч」(ch)と「ТЬ」(t')の発音の違い |
「Ч」(ch)と「ТЯ(t'a)、ТИ(t'i)、ТЮ(t'u)、...」等の子音(これを「ТЬ」(t')と書くことにします)は、日本語ではいずれもチャ行の音になりますが、ロシア語では両者は別の音です。 私の聞いた感じとして、「Ч」(ch)は、日本語のチャ行の音に比べてやや強い感じがし、一方の「ТЬ」は日本語のチャ行の音よりもやや軟らかい感じがします。「強い」と「軟らかい」が反義語ではない上に、「ТЬ」が弱いわけでも「Ч」が硬いわけでもないのが難しいところです。日本語のチャ行の音との比較でも、普通は「『Ч』よりも『ТЬ』の方が近い」と言われていますが、ロシア語の入門本によっては全く逆の主張をしているものもあります。 そんなこんなで日本語話者にとってはなかなか難しい音ですが、ロシア語ではあくまで別の音なので、注意しましょう。 |
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第二課課題 |
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アクセント(下線で表しています)の位置と基本的な発音規則に注意して、次のロシア語を発音してみましょう。 (1) Зачем я (2) Я сошла с ума (「с ума」は「сума」のように発音されます) (3) Нас не догонят (4) Досчитай до ста (「сч」は「щ」と発音されます) (5) Тридцать минут (6) Я твой враг (7) Я твоя не первая (8) Робот (9) Мальчик-гей (「гей」の「е」は、ここでは「э」と発音します) |
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Copyleft(C) since 2000 Kaeul P. Aki
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