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形容詞


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 ロシア語の形容詞は、形容する名詞の「性」によって(「女性名詞」か「男性名詞」か「中性名詞」かによって)、形(語尾)が変化します。具体的に言えば、例えば

・система (s'ist'ema) : シスチェーマ (「システム」「系」。女性名詞)
яд (yad) : ヤート (「毒」。男性名詞)
・тепло (t'eplo) : チプロー (「熱」「暖かさ」。中性名詞)

の各名詞を、辞書に「солнечный」(soln'echnyy、ソールニチヌィー)という形で載っている「太陽の」という意味の形容詞をつけると、形容詞は形容する名詞によって、「-ый」という語尾が次のように変化します。

・солнечная система (soln'echnaya s'ist'ema) : ソールニチナヤ・シスチェーマ (「太陽系」)
・солнечный яд (soln'echnyy yad) : ソールニチヌィー・ヤート (「太陽の毒」。「ヤー・サシュラー・ス・ウマー」より)
・солнечное тепло (soln'echnoye t'eplo) : ソールニチナイェ・チプロー (「太陽熱」)

 上記の例は、最も基本的な形容詞の変化形ですが、形容詞の語尾は基本的に、形容する名詞の性に合わせて次のように変化します。

・女性名詞を形容する場合は「-ая」(-aya、アヤ)
・男性名詞を形容する場合は「-ый」(-yy、ウィー)
・中性名詞を形容する場合は「-ое」(-oye、オイェ)


 上記のものが最も基本的な変化ですが、この形とは少し違った変化をするものもあります。以下で、いくつかの変化のパターンについて見ていきます。


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語尾にアクセントがある場合

 形容詞の語尾にアクセントがあると、男性名詞を修飾する場合の語尾が「-ой」になります。すなわち、

・女性名詞を形容する場合は「-ая」(-aya、アーヤ)
・男性名詞を形容する場合は「-ой」(-oy、オーイ)
・中性名詞を形容する場合は「-ое」(-oye、オーイェ)


となります。逆に、男性形の語尾が「-ой」である形容詞は、必ず語尾にアクセントがあります。

(例) アクセントのある文字は下線で表しています。

золотой(zolotoy、ザラトーイ、「黄金の」)の変化形
・золотая (zolotaya) : ザラターヤ (女性形)
・золотой (zolotoy) : ザラトーイ (男性形)
・золотая (zolotoye) : ザラトーイェ (中性形)

ночной(nochnoy、ナチノーイ、「夜の」)の変化形
・ночная (nochnaya) : ナチナーヤ (女性形)
・ночной (nochnoy) : ナチノーイ (男性形)
・ночное (nochnoye) : ナチノーイェ (中性形)


正書法による制限のある場合

 変化する語尾の前の子音が「к」(k)、「г」(g)、「х」(kh)、「ж」(zh)、「ц」(ts)、「ч」(ch)、「ш」(sh)、「щ」(chsh)の場合、第3.5課の正書法の規則により、これらの文字の後ろに「ы」(y)や「о」(o)が書けないことがあります。このような場合、正書法の規則に従い、「-ый」(-yy)が書けない時は代わりに「-ий」(iy)を、「-ое」(-oye)が書けない時は代わりに「-ее」(-yeye)を書きます。つまり、

・女性名詞を形容する場合は「-ая」(-aya、アヤ)
・男性名詞を形容する場合は「-ый」(-yy、ウィー)または「-ий」(-iy、イー)
・中性名詞を形容する場合は「-ое」(-oye、アイェ)または「-ее」(-yeye、イェイェ)


となります。

(例) アクセントのある文字は下線で表しています。

тихий(t'ikh'iy、チーヒー、「静かな」)の変化形。正書法の規則により、「х」(kh)の後には「ы」(y)が書けない。
・тихая (t'ikhaya) : チーハヤ (女性形)
・тихий (t'ikh'iy) : チーヒー (男性形)
・тихое (t'ikhoye) : チーハイェ (中性形)

хороший(khorosh'iy、ハローシー、「良い」)の変化形。正書法の規則により、「ш」(sh)の後には「ы」(y)およびアクセントのない「о」(o)が書けない。
・хорошая (khoroshaya) : ハローシャヤ (女性形)
・хороший (khorosh'iy) : ハローシー (男性形)
・хорошее (khorosh'eye) : ハローシェイェ (中性形)


軟変化

 女性形が「-яя」(-yaya、ヤヤ)で終わる形容詞は、「軟変化」と呼ばれる変化をする形容詞です。軟変化形容詞の変化形では、語尾の母音は全て軟母音(ヤ行の音)になります。すなわち、

・女性名詞を形容する場合は「-яя」(-yaya、ヤヤ)
・男性名詞を形容する場合は「-ий」(-iy、イー)
・中性名詞を形容する場合は「-ее」(-yeye、イェイェ)


となります。なお、軟変化ではない形容詞(女性形が「-ая」(-aya、アヤ)で終わる形容詞)の変化は、「硬変化」と呼ばれています。

(例) アクセントのある文字は下線で表しています。

синий(s'in'iy、シーニー、「青い」)の変化形 。
・синяя (s'in'aya) : シーニャヤ (女性形)
・синий (s'in'iy) : シーニー (男性形)
・синее (s'in'eye) : シーニェイェ (中性形)

лишний(l'ishn'iy、リーシュニー、「余計な」)の変化形。
・лишняя (l'in'aya) : リーシュニャヤ (女性形)
・лишний (l'in'iy) : リーシュニー (男性形)
・лишнее (l'in'eye) : リーシュニェイェ (中性形)


特に何もない場合

 最後に、語尾にアクセントもなく正書法の規則もかかわってこない基本的な場合を見ておきましょう。

・女性名詞を形容する場合は「-ая」(-aya、アヤ)
・男性名詞を形容する場合は「-ый」(-yy、ウィー)
・中性名詞を形容する場合は「-ое」(-oye、アイェ)


(例) アクセントのある文字は下線で表しています。

старый(staryy、スタールィー、「古い」)の変化形。
・старая (staraya) : スターラヤ (女性形)
・старый (staryy) : スタールィー (男性形)
・старое (staroye) : スターライェ (中性形)

печальный(p'echal'naya、ピチャーリヌィー、「悲しい」)の変化形。
・печальная (p'echal'naya) : ピチャーリナヤ (女性形)
・печальный (p'echal'nyy) : ピチャーリヌィー (男性形)
・печальное (p'echal'noye) : ピチャーリナイェ (中性形)


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   第四課課題
 例に従って、形容詞を適切な形に変化させて名詞を形容し、出来上がった熟語を発音してみましょう。なお形容詞の変化は、男性形、女性形、中性形の順に、語尾の部分だけ載せています。

(例)
・растерянный, -ая, -ое (「途方に暮れた」)
・птица (「鳥」。女性名詞)
→растерянная птица (rast'er'annaya pt'itsa) : ラスチェーリャンナヤ・プチーツァ (「途方に暮れた鳥」)

(1)
・искусственный, -ая, -ое (「人工の」。「сств」は「ств」と発音)
・лёд (「氷」。男性名詞)

(2)
・случайный, -ая, -ое (「偶然の」)
имя (「名前」。中性名詞)

(3)
・электронный, -ая, -ое (「電子の」)
・метель (「吹雪」。女性名詞)

(4)
・золотой, -ая, -ое (「黄金の」)
・луч (「光線」。男性名詞)

(5)
・посторонний, -яя, -ее (「無関係の」)
・мысль (「思考」。女性名詞)


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