接続詞
文章と文章をつなぐ時に用いる語。日本語で言うところの、「そして」「しかし」「一方」といったような感じのやつ。
前置詞
ロシア語の前置詞は、英語の前置詞と同じようなものと思ってもらって良い(細かい違いはちょくちょくあるが)。なお、前置詞の後ろにつく名詞(&形容詞)は、必ず主格以外のものになる。前置詞と後ろに続く名詞の格とが一緒になって「てにをは」を表すとみなすと良いかもしれない。
名詞
ロシア語の名詞には「性」と「数」があり、「格変化」をする。「性」は、「男性」と「女性」と「中性」があり、人間等については自然の性別と一致するが、無生物の名詞にも文法的な「性」がある。「数」は、英語と同様、「単数」と「複数」がある(一つの場合でも文法上複数扱い、とかいうのもある)。「格変化」は、日本語の「てにをは」、或いは英語の前置詞に相当する役割を持つ。ロシア語には前置詞もあり、格と前置詞がセットで「てにをは」を表す場合が多い。
主格
辞書に載っている一番基本的な形。ドイツ語で言うところの「第一格」。主に主語を表すのに使うが、受け身の文等では、意味的に主語ではない場合がある(その場合でも、文法的役割は主語と同じである)。また、呼び掛けの際にも主格を使う。
日本語で言えば、「〜は」「〜が」に相当する。前置詞は取らない。文章中に述語のある場合、その述語の性、数、人称は、主格の名詞のそれと一致する。
生格
主に所有表現、存在否定の生格、前置詞の取る格、の三つの用法がある。
所有表現は、「〜の」という、英語の「of 〜」に相当する表現。所有の対象である名詞に後ろからかかる。生格の最も一般的な用法だが、代名詞の生格に所有表現の用法はない。
存在否定の生格は、あるものが存在していない、という表現をする際に、本来主格で表すその「あるもの」を、生格で表すという、ロシア語独特の表現。代名詞の場合、前に前置詞がつかなければ、まずこの用法であると見なして良い。この場合、本来「あるもの」の性と数に一致する動詞等は、三人称単数形なり単数中性形なりになる。
前置詞が生格を取る場合は、「〜から」とか「〜まで」とか「〜なしで」とかその他いろいろな意味になる。
なお、他の格変化する言語では、ロシア語の生格に相当する格は「属格」という名称の場合が多い。ドイツ語では「第二格」という名称になっている。英語ではロシア語の生格も他の言語の属格も「genitive」という名称で呼ぶ。英語で言うところの「所有格」に相当する格だが、用法はかなり異なる。
与格
主に間接目的を表す。ドイツ語で言うところの「第三格」。英語の「for 〜」に相当?
日本語で言えば「〜に」「〜のために」「〜にとって」に相当か? 与格の形を文の冒頭にもってきて、直訳したら「AにとってBだ」という意味になるようにして、与格が主語になるような文を作ることも多い。特に、主語の状態を副詞で表す場合には、主語は与格形を使用する。
対格
主に直接目的語を表す。ドイツ語で言うところの「第四格」。英語で言えば「to 〜」に相当?
日本語で言えば「〜を」に相当? 前置詞と組み合わせて使う場合、「〜へ」といったように、動作の方向を表す場合が多い。
対格は、女性名詞の単数対格形は独自の形をしているが、他のものは生格(人間・動物等の場合)もしくは主格(それ以外)と同じ形をしている。
造格
他の格変化のある言語で言うところの「具格」に相当するらしい。英語で言えば「by 〜」か?
日本語では、「〜で」「〜として」「〜に(なる)」くらいの意味? 前置詞を取る場合も多い。
前置格
他の格変化のある言語で言うところの「地格」に相当するらしいが、ロシア語の前置格は、その名の通り、必ず前置詞を伴う。前置詞を伴って、いろいろな意味になる。
疑問詞
「何?」とか「誰?」とか「どこ?」とかいったようなやつ。英語で言えば「What?」とか「Who?」とか「Where?」とか。英語の疑問詞と似たような役目をし、「何?」「誰?」「どこ?」といった意味のほかに、関係代名詞等としても用いられる。但し、出てくる場所とか、細かい使われかた(?)とかは、英語に比べて自由度が高い。疑問詞の中には、格変化をするものもある。
完了体動詞
主に「完了」を表す動詞。過去形と未来形があり、過去形は英語の「現在完了」「過去完了」に相当? 結果の存続にも使う。未来形は、現在はまだ行っていないが将来(今すぐでも、もうちと後でも)に一度行うことを表す。
不完了体動詞
主に「そのような状態である」「進行中」を表す動詞。過去形、現在形、未来形がある。過去形は英語の「過去進行形」みたいなのに相当? 他に、過去の状態を表すのにも使う。現在形は、現在の状態(英語で言うところの現在進行形?)と、現在の状態を表すのに使う。未来形は、未来に連続的に行うであろうこと、及び未来の状態を表すのに使う。
不定形
ロシア語の動詞の原形とでも言うか、辞書にはこの形が載っている。これ単独では、英語の「to+原形」に相当し、「〜すること」といったような意味になる。助動詞(もしくはそれに相当するもの)や動詞の後に続く動詞も、不定形をとる。また、「A(与格)+не+B(不定形)」で「AはBできない」という、不可能を表す表現にもなる。
一人称複数未来
完了体動詞の一人称複数未来形は、「私たちは〜するだろう」というのが基本的な意味だが、「〜しよう」といったような、英語の「Let's〜」に相当するような意味で使う場合もある。
三人称複数
主語が「彼ら」「彼女ら」「それら」の場合に動詞が三人称複数になる、というのが代表的な用法だが、主語を省略したりして「人々は〜する」とか「世間一般は〜する」とかいった意味でも使うことが多い。あるいは名詞等の対格形を意味上の主語にとって「(対格)は〜される」という受け身の表現になる場合も多い。
命令形
動詞の命令形には、「単数形」と「複数形」がある。単数形は命令する対象が単数の時に、複数形は命令する対象が複数の時に使うわけだが、複数命令形は、命令する対象が単数の時でも、丁寧に命令したい時などに使える。単数命令形は、単数に対する命令でも、ぞんざいな命令形として使われる。複数へのぞんざいな命令形として単数命令形を使うという用法は……あるようなないような……ま、あると見なした方が意味が取りやすい使用例ならあるだろう。
被動形動詞過去
被動形動詞過去は、名詞を「〜された」と修飾する場合に使うもので、英語で言う場合の、名詞を修飾する過去分詞に相当。形動詞とは、要するに早い話が、動詞から派生した形容詞である。
副動詞
副動詞には、不完了体動詞から作られる副動詞現在と、完了体動詞から作られる副動詞過去がある。副動詞現在は「〜しながら」、副動詞過去は「〜してから」という意味になる。英語の動詞のing形、過去分詞形にも似たような用法がある。
形容詞
ロシア語の形容詞は、英語や日本語と同様、名詞を形容する場合にも、述語としても用いられる(但し、述語として用いられる場合、現在形ならbe動詞に相当するものは省略する)。形容する、もしくは主語となる名詞の「性」「数」「格」によって、形容詞の形も変化する。他に、「短語尾形」と「長語尾形」がある。
短語尾
形容詞の短語尾形は、必ず述語として使われる。この場合、形容詞の「性」と「数」は主語の名詞と一致する。形容詞を述語とするような主語は必ず主格であるので、短語尾形は各変化しない(「主格しかない」と言った方が、ひょっとしたら理解しやすいかもしれない)。
長語尾
形容詞の長語尾形は、名詞を形容するものとして使われる場合も、述語として使われる場合もある。形容詞の「性」「数」「格」は、述語として使われる場合は主語と、名詞を修飾する場合は修飾する名詞と一致する。