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文法解説


* т * а * т * у * т * а * т * у * т * а * т * у *


 ここでは、ロシア語の文法の大雑把な解説をします。ここに書いてある内容を全て暗記し、且つ英語の文法を知っていれば、あとは莫大な量の実例を見ていくことで、ロシア語がそこそこ読めるようになると思います。なお、以下の説明には不十分な点や間違った点があるかもしれませんが、そのような点は自分で埋め合わせをお願いします。(できれば指摘してくださると嬉しいです。)


* т * а * т * у * т * а * т * у * т * а * т * у *


英語・日本語との関係
 ロシア語は、英語と同じ印欧語族の一つで、日本語よりかは英語にずっと近い(但し、印欧語族の中では英語とはやや離れたグループに属すらしい)。しかし、偶然の一致というか、日本語に似ている面もちょくちょくあるっぽい。

基本的な文型
 英語と同様に、次のような文型が基本である。

主語+動詞+目的語+補語(この他、随所に副詞が入る)

 但し、英語と違って、語順は(特に詩や歌では)かなり自由に変えることができる。また、主語を省略する場合もしばしばある。

基本的な文法的特徴
・語順が比較的自由。
・主語を省略する場合がある。
・前置詞がある。
・冠詞はない。
・疑問詞が関係代名詞の役割も果たす(英語のWhere 〜?, 〜 where 〜.みたいなの)。
・ほぼ全ての動詞が人称変化(英語のbe, am, are, is, areみたいなの)をする。
・ほぼ全ての名詞が格変化(英語のI, my, meみたいなの)をする。
・疑問詞、関係代名詞等も格変化する。
・名詞に文法的な性別がある(英語で国名をsheで受けることがあるのは、この残影)。
・名詞を形容する形容詞は名詞の前に置く。
・名詞の格・性によって形容詞も変化する。
・形容詞に比較級、最上級がある。
・助動詞(もしくはそれに相当するもの)は動詞の前に置く。
・形容詞的、副詞的に使う分詞みたいなの(形動詞、副動詞)がある。
・進行形や完了形を作る際に使う分詞みたいなのはない。
・助動詞や分詞を駆使して多彩な時制を現す、ということはしない。
・英語のbe動詞に相当するものは、現在形では普通省略する。

文字
 ロシア語を表すには、英語とかに使うラテン文字(ローマ字)の従兄弟に相当する「キリル文字(ロシア文字)」を使う。こちらで紹介&解説してあるので、全部覚えましょう。「きらきら星」のメロディーに合わせて覚えると覚えやすいです。

発音
 基本的にローマ字読みみたいに読めばよいが、いろいろと音変化の規則のようなものがある。細かいことを言うとキリがないが、大雑把に言って以下の通りである。

・アクセントのある音は、強く、やや長めに発音する。
・アクセントのないоはаと発音する。
・後ろに何も続かない場合もしくは無声子音(кпстфцчшщ)の前では、濁音(бвгджз)は清音(пфктшс)になる。
・вを除く濁音(бгджз)の前では、清音(кпстфш)は濁音(гбздвж)になる。

名詞の性
 ロシア語の名詞の性別の見分け方は、だいたい以下の通り。

・辞書に載っている形が子音(йを含む)で終わるものは男性名詞。
・辞書に載っている形がа, яで終わるものは女性名詞。
・辞書に載っている形がо、е、мяで終わるものは中性名詞。
・辞書に載っている形がьで終わるものは、男性名詞の場合と女性名詞の場合がある。
・人間の場合は、実際の性別が文法的な性別に一致する。

活動体・不活動体
 ロシア語の名詞には、活動体と不活動体とがある。簡単に言ってしまえば、人間を含む動物が活動体で、それ以外のものが不活動体である。日本語で言えば、存在を表す時に「いる」を使うのが活動体で、「ある」を使うのが不活動体だと見てよいだろう。活動体、不活動体の違いは、名詞や形容詞、代名詞、関係代名詞等の格変化で重要となる。

硬母音、軟母音
 ロシア語には十個の母音があるが、うち「АЫУЭО」が硬母音であり、「ЯИЮЕЁ」が軟母音である。日本語で言うところのア行が硬母音で、ヤ行が軟母音だと思えば、当たらずとも遠からずである。
 軟母音と硬母音はそれぞれ対応しているが、その対応は、以下の表に挙げるように、多少特殊な部分がある。

硬母音 А Ы У О
軟母音 Я И Ю Е, Ё

 表にあるように、「О」と「ЕЁ」の対応に注意すること。この硬母音、軟母音の対応は、名詞や形容詞の格変化(硬変化、軟変化)等で重要となる。なお、硬母音の「Э」は、格変化にはかかわらない。

正書法
 ロシア語には、特定の子音の後には特定の母音は原則として来ず、代わりに、軟母音なら対応する硬母音を、硬母音なら対応する軟母音を書く、という規則がある。名詞・形容詞の格変化の中には、一見硬変化と軟変化が入り乱れていて不規則なように見えるものがあるが、この正書法に当てはめてみると実は規則的である場合が多い。ここでは、名詞・形容詞の格変化に関係する正書法を取り上げる。

・「ГЖКХЧШЩ」の後には、「ЯЫЮ」は書かず、代わりに「АИУ」を書く。
・「ЖЧШЩ」の後には、アクセントのない「О」は書かず、代わりに「Е」を書く。
・「ЖЧШЩ」の後には、アクセントのある「Ё」は書かず、代わりに「О」を書く。

 なお、これらの正書法は、名詞・形容詞の活用する語尾以外ではあてはまらない場合がある。

名詞の格変化
 名詞には、以下の六つの格があり、名詞の語尾が変化する。格は、日本語の「てにをは」みたいな役割をする。

主格:主語を表す。前置詞は取らない。〜は、〜が
生格:主に所有を表す。〜の
与格:主に間接目的語を表す。〜に
対格:主に直接目的語を表す。〜を
造格:主に手段、状態を表す。〜で、〜に(なる)
前置格:必ず前置詞を伴う。意味は、前置詞の意味による。

 主格以外は前置詞を伴う場合がある。一つの前置詞は複数の格に付く場合が多く、付く格によって意味も異なってくる。
 格変化は名詞の性別によって異なる。また、大きく分けて硬変化と軟変化がある。

名詞語尾の格変化表

男性名詞 女性名詞 中性名詞
硬変化 軟変化 硬変化 軟変化 硬変化 軟変化 -мя

主格 - -й, -ь -я, -ь
生格 -ени
与格 -ени
対格 主/生 主/生
造格 -ом -ем -ой -ей -ом -ем -енем
前置格 -ени

主格 -ена
生格 -ов -ев, -ей - -ь, -ей - -ей -ён
与格 -ам -ям -ам -ям -ам -ям -ени
対格 主/生 主/生 主/生 主/生 -ени
造格 -ами -ями -ами -ями -ами -ями -ени
前置格 -ах -ях -ах -ях -ах -ях -енах
 表中の「主/生」となっている部分(いずれも対格)は、名詞が活動体の場合には主格と同じ形に、不活動体の場合には生と同じ形になる。

形容詞の格変化
 形容詞は、形容する名詞の性、格に対応して変化する。
 述語として形容詞を使う場合には、「短語尾形」を使う場合がある。短語尾形は主格のみある。
 形容詞の変化には、大きく分けて、硬変化と軟変化がある。

形容詞語尾の格変化表

男性形 女性形 中性形 複数形
硬変化 軟変化 硬変化 軟変化 硬変化 軟変化 硬変化 軟変化
主格 -ый, -ой -ий -ая -яя -ое -ее -ые -ие
生格 -ого -его -ой -ей -ого -его -ых -их
与格 -ому -ему -ой -ей -ому -ему -ым -им
対格 主/生 主/生 -ую -юю -ое -ее 主/生 主/生
造格 -ым -им -ой -ей -ым -им -ыми -ими
前置格 -ом -ем -ой -ей -ом -ем -ых -их
 表中の「主/生」となっている部分(いずれも対格)は、修飾される名詞が活動体の場合には主格と同じ形に、不活動体の場合には生と同じ形になる。

比較級・最上級
 形容詞の比較級は、比較級にしたい形容詞の前に、「より〜」といった意味の副詞の「более」をつけることによって得られる。形容詞の語尾を「-ее」に変えることによって比較級にできる形容詞もある。

 形容詞の最上級は、最上級にしたい形容詞の前に、最上級を表す「самый」をつけることによって得られる。最上級にしたい形容詞が格変化する際は、「самый」自身も硬変化の形容詞と同じように格変化する。語尾を「-ейший」のようなものにして最上級が得られる形容詞もある。

動詞の相・時制
 ロシア語の動詞には、「完了体」と呼ばれるものと、「不完了体」と呼ばれるものがある。完了体の動詞と不完了体の動詞はペアになっていることが多く、不完了体の動詞に「по-」をつけたものが完了体であることがしばしばある。
 完了体と不完了体の違いは「相(アスペクト)」と呼ばれ、「過去・現在・未来」という見方とは別の視点で、「完了」「不完了(進行、習慣?)」をそれぞれ表す。

 完了体には、「過去」「未来」の時制がある。完了体の過去は、英語で言うところの現在完了や過去完了と似たようなものと考えて良いだろう。完了体の未来は、日本語で言うところの「その人は明日、東京から来ます。」の「来ます」と似たような相的・時制的性質を持っていると考えて良いだろう。

 不完了体には、「過去」「現在」「未来」の時制がある。「過去」は過去に継続して起こったことや過去の習慣・状態を、「現在」は今の習慣・状態や英語の現在進行形に相当するものを、「未来」は未来に継続して起こることや未来の習慣・状態を表すものと考えて良いだろう。

動詞の人称変化
 完了体未来、不完了体現在は、主語の性・数によって人称変化する。大きく分けて「юею型」と「юия型」の二種類の変化があり、原則として不定形(意味的には英語の「to+動詞」に相当)の語尾が「-ать」「-ять」で終わるものは「юею型」、「-ить」で終わるものは「юия型」である。なお、辞書の見出し語としては不定形が載っており、動詞は一部を除いて「-ть」で終わる。

完了体未来・不完了体現在の人称変化表

юею型 юия型
不定形 считать говорить

一人称 счита-ю говор-ю
二人称 счита-ещь говор-ишь
三人称 счита-ет говор-ит

一人称 счита-ем говор-им
二人称 счита-ете говор-ите
三人称 счита-ют говор-ят

 不完了体未来は、動詞の不定形の前に助動詞「быть」をつけることによって作られる。「быть」の人称変化は、「юею型」の変化の不規則なものである。なお、「быть」は不完了体未来を作る助動詞の他にも、動詞・助動詞としての役割を持っており、それらとして使われる場合も多いので注意。

 過去形は、主語の性別で変化し、人称では変化しない。また、不規則な動詞でなければ、「юею型」でも「юия型」でも作り方は同じである。

過去形の変化表

юею型 юия型
不定形 считать говорить
男性 счита-л говори-л
女性 счита-ла говори-ла
中性 счита-ло говори-ло
複数 счита-ли говори-ли

 命令形は、命令する対象の数でのみ変化する。なお、命令形複数は、単数に「-те」を付け加えればよい。

命令形の変化表

юею型 юия型
不定形 считать говорить
単数 счита-й говор-и
複数 счита-йте говор-ите

丁寧形としての二人称複数
 ロシア語には、二人称を表す代名詞として、二人称単数の「ты」(君)と二人称複数の「вы」(君たち)があるが、複数の「вы」は、複数の他に、二人称単数の丁寧形(あなた)という意味もある。丁寧形の「вы」を使う際には、動詞の人称変化は、「вы」が単数の場合でも二人称複数の形をとる。また、動詞の命令形は二人称への命令形であり、命令の対象の数で命令形の形も決まるが、命令の対象が丁寧形の「вы」の場合、「вы」が単数であっても、やはり複数命令形を用いる。但し形容詞等は、「вы」が本来表しているものの本来の性と数に一致する。

形動詞
 形動詞とは、「〜している〜」「〜された〜」のような、名詞を修飾する際に使う英語の分詞のようなものである。形容詞のような形をしており、形容詞のように格変化する。形動詞には、能動形動詞と被動形動詞があり、それぞれに「現在」と「過去」がある。形動詞現在は不完了体動詞のみから作られ、形動詞過去は不完了体からも完了体からも作られる。なお、被動形動詞の「被動」とは「受動」の意であり、「受動形動詞」と言ってもいいのだが、習慣として日本語では「被動」と言うことになっている。それぞれの作り方は、大雑把に言って以下の通り。

能動形動詞現在:不完了体動詞の三人称複数現在形から最後の「-т」をとって「щий」をつける。「〜している〜」の意になる。完了体動詞からは作られない。
能動形動詞過去:動詞の不定形から最後の「-ть」を取り、「-вший」をつける。不完了体の能動形動詞過去は「〜していた〜」、完了体の能動形動詞過去は「〜した〜」くらいの意味になる。
被動形動詞現在:不完了体動詞の一人称複数現在形の後ろに「ый」をつける。「〜されている〜」の意になる。完了体動詞からは作られない。
被動形動詞過去:大雑把に言えば動詞の語尾を「-нный」にすることによって得られる。不完了体の被動形動詞過去は「〜されていた〜」、完了体の被動形動詞過去は「〜された〜」くらいの意味になる。

副動詞
 副動詞は、「〜しながら」「〜してから」のような、副詞的な意味で使う英語の分詞のようなものである。副動詞には現在と過去があるが、不完了体の副動詞は副動詞現在(「〜しながら」)になり、完了体の副動詞は副動詞過去(「〜してから」)になる。
 副動詞現在は、大雑把に言えば不完了体動詞の語尾を「-я」にすることによって作られ、副動詞過去は、完了体動詞の語尾を「-в」にすることによって作られる。

受け身の表現
ロシア語の通常の語順は、

S(主格)+V(動詞)+O(対格)

で、「SはOにVする」という意味になるが、これの語順を変えて

O(対格)+V(動詞)+S(主格)

にすると、「OはSにVされる」という意味になる。動詞の人称はこの場合もSに一致する。また、Sを省略して

O(対格)+V(動詞)

とし、Vをした側を特定しない「OはVされる」という意味の文章が作られるが、この場合、動詞の人称は三人称複数にする。

以上が簡単な受け身の作り方であるが、この他に

主語(主格)+быть+被動形動詞(+造格)

という受け身の作り方もある。英語のbe+過去分詞と似た発想であり、ロシア語としてもこちらの方が正攻法らしい。この場合、被動形動詞の性やбыть(英語のbe動詞に相当。時制が現在の場合は普通は省略)の人称は、もちろん主語に一致する。主語に対してその動作を行った主体を表す。

意味上の主語が与格の文
ロシア語では、「Aは〜(感情等)だ」「Aにとって〜は〜だ」といった感じの文を、意味上の主語であるAを与格にして作ることが多々ある。述語としては、形容詞を使う場合と副詞を使う場合がある。

副詞を述語にするものは、

D(与格)+E(副詞)+V(動詞不定形)

という形で、「DはVするのがEだ」といった意味になる。Vを付けずに「DにとってEだ」、「DはEという状態だ」といった意味で使うこともある。また、Vの代わりに「что〜」(英語の「that〜」に相当)をつけて、「что〜ということはDにとってEだ」とする場合もある。過去形にする場合はбытьの過去単数中性形の「было」を、未来形にする場合は三人称単数形の「будет」を使う。

形容詞を主語とするものは、

D(与格)+J(形容詞)+S(主格)

という形で、「DにとってSはJだ」「DにはSがJだ」といったような意味になる。形容詞の性と数はSと一致する。過去形・未来形を作るにはбытьを使い、бытьの性・数・人称はSと一致する。

この他に、意味上の主語に与格を取る動詞(文法上の主語は主格)もある。


* т * а * т * у * т * а * т * у * т * а * т * у *


t.A.T.u.@ロシア語

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